『女が死んでいる』発売。

『女が死んでいる』が発売されました。三年前に出した同タイトルの本の文庫化ではなく、文庫オリジナル短編集です。
 ぼくは短編に自信がないので、これまではテーマやキャラクターが統一された短編集しか出しませんでした。ただまあ、長く続けていれば本数は自然に増えるもので、たくさん書いた中でこれはましというものを集めれば一冊分になりました。
 ちょうど三年前にライセンスの藤原一裕さんとコラボで出した本があり、それを文庫化していいタイミングではあったのですが、小説部分だけでは100枚ちょっとなので一冊分にはなりません。そこで、以前から文庫オリジナル短編集を出さないかとKADOKAWAからは提案されていたので、ならば今がそれを出すいい機会かと考えたわけです。
 どんでん返しがある中短編だけを集めて一冊にまとめてみれば、さほど悪くないなと思いました。年を取って、「若い人ががんばってるなぁ」と自己評価が甘くなったようです(笑)。

 日下三蔵さんがいい解説を書いてくれました。まだ本にまとまっていない短編がたくさんある、と日下さんが指摘してくれていますが、今後も短編集を出す気はあります。次の統一テーマは「奇妙な味」です。そのつもりで最近はそればかり書いているのですけど、奇妙な味って枚数が短くても書けちゃうんですよね。けっこう本数を書いたつもりでいたのに、カウントしてみたらまだ200枚にも達していませんでした。ショートショートも何本もあるしなぁ。
 というわけで、次の短編集は死ぬまでに一冊分になるかどうかわかりません(笑)。

 今週末には、都内と横浜の書店を巡ってサイン本を作ります。お目に留まったら、どうぞ手に取ってみてください。