文庫版『悪の芽』、発売されました。
解説は石井光太さんにお願いしました。本文を補完する素晴らしい解説なので、まずは解説だけでも店頭で読んでみてください。
明けましておめでとうございます。
今年はまず、今月『悪の芽』の文庫が出ます。ここ数年出している本の内容を考えると、この『悪の芽』を起点としたテーマをずっと追っている気がします。ですので、ぼくにとっては新たな出発点だったようです。
二月には、新連載『不等辺五角形』が東京創元社「紙魚の手帳」で始まります。『愚行録』系の話です。
五月に、新作『ひとつの祖国』が朝日新聞出版から出ます。第二次世界大戦の結果、東西に分割された日本が二十世紀末に統一されたが、東西の経済格差が今も残っているという架空の日本を舞台にした話です。主人公はふたりで、東日本出身のひとりは東日本独立を目指すテロ組織にやむを得ず加わることになり、西日本出身のひとりは自衛隊内の対テロ秘密部門に所属しています。去年話題になった別班ですね。ぼくは作中でそういう呼称は使ってませんが。もちろん、連載を開始したのは某ドラマ放送より前なので、後追いや真似ではありません。たまたまです。
このふたりの主人公の運命を描いた話です。
この他、連載を年内に一本、できれば二本スタートさせたいと思っています。
今年はちょっとペースを上げて仕事をするつもりです。今年もどうぞよろしくお願いします。
『龍の墓』についてのインタビューを、いくつか受けております。
「ダ・ヴィンチ」2024年1月号
「週刊ポスト」11.17/24号(←すみません、最新号が出てしまいましたが、ヤフーニュースにこのインタビューが転載されていたので、ネット上には存在すると思います)
WEBカラフル12/20公開
それと、「紙魚の手帳」12月号の次号予告に、新連載のタイトルが載っています。『不等辺五角形』です。幼馴染み五人のうち、ひとりが殺され、ひとりが犯人となり、残りの三人が事件について語るが、その証言は微妙に食い違っていた……。という話です。『愚行録』みたいなテイストです。
ネットで、令和の『愚行録』が読みたいと呟いている人がいて、まさに今書いてるよと驚きました。
新刊『龍の墓』は22日発売です。すでに店頭に並んでいるところもあるようですが。
例によって、サイン本をたくさん作りました。もし見かけたら、手に取ってみてください。
バリバリの本格は二十年ぶりです。二十年前の作品『被害者は誰?』を出したときは、編集者の反応もあまりよくなく、続きを書きたいと言っても別の作品にしてくれと言われ(十数万部売れたのに!)、インタビューは一件もありませんでした。
でも今回はすべてが逆で、連載中から編集部の反応がよく、単行本刊行前に続編を望まれ、すでにインタビューも複数受けています。この二十年間で本格が完全に市民権を得たのだなぁと、感慨を覚えています。
それと、『慟哭』『愚行録』の30周年カバーも発売されています。期間限定なので、もし気に入ったら今のうちにご購入ください。すげーかっこいいデザインですよ。
また長らく放置してしまいました。
「小説推理」連載の『龍の墓』は、すでに完結しております。11月に単行本になります。
ライアン・レイノルズ主演の『フリーガイ』に触発されて書いたのに、なぜかバリバリの本格になってしまいました。なので、若手本格の書き手の皆さんに推薦文をいただくことにしました。錚々たる面子に推薦文をいただけることになり、嬉しいです。
「小説トリッパー」連載の『ひとつの祖国』も、すでにぼくは最終回まで書き終えています。最終回が掲載されるのは12月発売号で、単行本は来年5月発売です。
それと、デビュー30周年記念として、『慟哭』と『愚行録』が特別カバー仕様になります。去年もデビュー30年記念で連続文庫刊行をやったのになんで?と思ったら、なんと去年は30年どころかまだ28年だった(笑)。来月を迎えて、本当にようやく30周年になります。
今年初の更新が二月になってしまいました。
毎年、最初の更新で一年間の予定を書いていましたが、今年は特に書くことがありません。『ひとつの祖国』と『龍の墓』の連載を継続するだけですねぇ。『ひとつの祖国』の連載は終わると思うんですが、単行本化には手直しが必要なので、たぶん今年じゅうには出ません。『ひとつの祖国』が終わったら、新連載を始めるかな。
というわけで、今年もまた新刊が出ない年になりそうです。こつこつがんばります。
今年もどうぞよろしくお願いします。
生活環境の変化で、ぜんぜん更新できませんでした。滞っていた間の、というかそれ以前でも忘れていた仕事があるので、箇条書きにします。
6月 「あなたを忘れない」小説新潮7月号掲載
10月 『罪と祈り』(実業之日本社文庫)発売
10月 『龍の墓』小説推理12月号から連載開始
その他、インタビューもいくつか掲載されたのだけど、今は掲載誌が手許にないのでわかりません。ひとつだけ、『罪と祈り』と小説家生活三十周年についての座談会が、Real Soundさんにアップされています。
https://realsound.jp/book/2022/12/post-1205744.html
お相手を務めてくださったのは千街晶之さんと若林踏さんです。
もうひとつ、「小説現代」1&2月号に京極夏彦さんとの対談が載っています。お題は『仕掛人・藤枝梅安』。映画化記念の対談で、普通に喋ると一般読者置いてけぼりになるとお互いわかっているので(笑)、なんだかずっと解説をしているような対談になってます。
まだなんか忘れてそうな気がするけど、取りあえずこれくらいですかね。たぶん、これで今年最後の更新でしょう。皆様、よいお年をお迎えください。