『我が心の底の光』文庫化

 また更新が三ヵ月も空いてしまいました。
『我が心の底の光』が文庫になります。今月12日発売です。
 解説は、ブックポート203の成川真さんにお願いしました。
 この作品、自分では難しく書いたつもりはなかったのですが、現在の出版業界の基準からすると少し難解だったようです。そこで、解説で読み解き方を例示してもらいました。わかりやすく、説得力のあるいい解説を書いていただき、大変感謝しています。
 文庫で読み終えた人はもちろんのこと、単行本で読んだ方もこの解説を読めば「そういうことだったか!」と驚くかもしれません。ただ、全面ネタバレ解説なので、読了後にお読みください。
 きっと普通に読み終えて、理解するためには少し能動的な読書が必要だったということにも気づかなかった人は多いのだろうと思っています。

 今年は新作長編を出せないので、8月に文庫オリジナルの短編集を出します。
 三年前にライセンスの藤原一裕さんとのコラボで『女が死んでいる』という本を出しましたが、収録されているぼくの作品は100枚くらいの中編なので、そのままでは一冊の文庫にできません。なので、これまでに書いた単行本未収録作品の中から、特にトリッキーな短編だけを選び、「女が死んでいる」を柱にオリジナル短編集を作ることにしました。
 コンセプトが統一されていない、純粋な短編集を出すのは実はこれが初めてですね。