今年の予定。

 今年初の更新が二月になってしまいました。
 毎年、最初の更新で一年間の予定を書いていましたが、今年は特に書くことがありません。『ひとつの祖国』と『龍の墓』の連載を継続するだけですねぇ。『ひとつの祖国』の連載は終わると思うんですが、単行本化には手直しが必要なので、たぶん今年じゅうには出ません。『ひとつの祖国』が終わったら、新連載を始めるかな。
 というわけで、今年もまた新刊が出ない年になりそうです。こつこつがんばります。
 今年もどうぞよろしくお願いします。

仕事いくつか。

 生活環境の変化で、ぜんぜん更新できませんでした。滞っていた間の、というかそれ以前でも忘れていた仕事があるので、箇条書きにします。

6月 「あなたを忘れない小説新潮7月号掲載
10月 『罪と祈り』(実業之日本社文庫)発売
10月 『龍の墓』小説推理12月号から連載開始

 その他、インタビューもいくつか掲載されたのだけど、今は掲載誌が手許にないのでわかりません。ひとつだけ、『罪と祈り』と小説家生活三十周年についての座談会が、Real Soundさんにアップされています。

https://realsound.jp/book/2022/12/post-1205744.html

 お相手を務めてくださったのは千街晶之さんと若林踏さんです。

 もうひとつ、「小説現代」1&2月号に京極夏彦さんとの対談が載っています。お題は『仕掛人・藤枝梅安』。映画化記念の対談で、普通に喋ると一般読者置いてけぼりになるとお互いわかっているので(笑)、なんだかずっと解説をしているような対談になってます。

 まだなんか忘れてそうな気がするけど、取りあえずこれくらいですかね。たぶん、これで今年最後の更新でしょう。皆様、よいお年をお迎えください。

『追憶のかけら 現代語版』、『微笑む人』新装版。

『追憶のかけら 現代語版』と『微笑む人』の新装版ができました。『追憶のかけら 現代語版』の発売日は8/5、『微笑む人』も同じ頃じゃないかな。
 立て続けに本が出ているので、ページの更新が追いつきません……。でもこれで終わりじゃなく、まだ一冊あるんだよな。次は10月の『罪と祈り』です。



『プリズム』、『紙の梟』、トークイベント。

 更新が滞ってしまいました。
 情報がたくさんあります。新刊が二冊も出てしまいました。『プリズム』の実日文庫版が発売中です。それと、早いところでは今日、新作の『紙の梟 ハーシュソサエティ』が店頭に並んでいます。
『プリズム』は創元推理文庫版と中身が同じなので、表紙と値段で選んでください。
『紙の梟』は11年がかりでようやく本になりました。すでに反響があって、驚いています。
 それと、来月には『追憶のかけら 現代語版』が実日文庫で出ます。タイトルどおり、作中作の手記を現代語にしました。旧字旧かなパートが長くて読めない、と思っていた方はぜひこちらを手に取ってください。

 で、それの発売に合わせて、天祢涼さんとトークイベントをやることになりました。
 8/6(土)14時から八重洲ブックセンターにて行います。詳細はこちらをご覧ください。

https://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/22721/

新刊、新連載、その他。

 ぜんぜん更新できていませんでした。ってことは、そこそこ忙しいのか。今も継続中なのだけど、今日は新聞休刊日なので少し時間ができた。

 朝日文庫版『迷宮遡行』、とっくに発売されています。

小説トリッパー」での新連載『ひとつの祖国』、とっくに始まってます。

 それと、『編集者宇山日出臣追悼文集』に短文を寄稿しています。この本に自分の文章を載せてもらえたのが嬉しいです。

f:id:tokuro_nukui:20220411092145j:image

 現在は、次々と来るゲラと格闘中。二冊分のゲラが溜まってしまったのは初めてだ(笑)。

『ナイル殺人事件』。

 映画『ナイル殺人事件』にコメントを寄せました。基本的に映画へのコメントはお断りしているのですが、今回は原作が大好きなのでつい引き受けてしまいました。
 割と長めの字数を指定されたので、もっと短く言えるのにと思いつつ膨らませて書いたら、他の人のコメントは短かった(笑)。でも、このメンバーの中に入れているのが嬉しいです。

明けましておめでとうございます。

 皆様、明けましておめでとうございます。
 昨年はデビュー以来初めて、一年で四冊の新作を出せました。そのうちの三冊、『邯鄲の島遥かなり』は六年がかりで書き上げた作品だったので、これを単行本にできたのは達成感が大きかったです。小説家としてひと区切りついた心地がし、意識がいろいろ変わりました。今後、作風が変わりそうです。

 で、今年の予定です。まず新作は、ようやく完結した「ハーシュソサエティ」連作を単行本にします。『紙の梟 ハーシュソサエティ』というタイトルで、7月に文藝春秋から出してもらいます。

 文庫はここのところ新装版が多いですが、今年もたくさん出ます。まず3月に『迷宮遡行』が朝日文庫に入ります。次は6月に『プリズム』が実日文庫に、8月に『追憶のかけら』が同じく実日文庫に入ります。実日文庫に入る二作は、両方とも単行本は実業之日本社だったというご縁です。
 中でも『追憶のかけら』は、作中作として旧字旧仮名遣いの手記があるのですが、実日文庫版ではこれを現代語にします。旧字旧かなは辛いから読めない、と思っていた方にはぜひとも今回の現代語版をお手に取っていただきたいです。文春文庫版が絶版になるわけではないので、雰囲気を味わいたい方は文春文庫版を、読みやすさ重視の方は実日文庫を読んでいただければと思います。あ、創元推理文庫版の『プリズム』もそのまま継続販売されます。
 さらに10月に『罪と祈り』が文庫になります。実日文庫です。実日文庫は隔月刊行ですから、つまり三回連続刊行というお祭り企画なのです。『罪と祈り』はそれなりに自信があって刊行した作品でしたが、ぼくが今の読者の感覚を把握できておらず、さほど好意的に受け取られなかったのがすごく残念でした。非常に心残りなので、ぼくは文庫化の際に加筆や大幅訂正はしないのですけど、今回だけは例外で大幅手直しします。読者に受け入れられるものにするつもりです。単行本で面白いと思ってくださった方には、特に読み直していただく必要はありません。ストーリーは同じです。

 昨年はなんと連載を一本もしない年になってしまいました。そんなはずではなかったのに。
 もちろんサボっていたわけではなく、すでに『小説トリッパー』連載の第一回原稿は書き上げています。ぼくはもともとディストピア小説が好きで、いつかやってみたいと思っていました。日本を舞台にしたディストピア小説というと、第二次世界大戦の結果として日本がふたつに分断されるというものが多いです。好きですから、そういう作品はたくさん読んでいます。ただ、作例が多いならぼくがやっても仕方ないので、今の時代に書くなら統合後を描くべきではないかと考えました。かつて分断されていたけれど今はひとつになった、つまりドイツのような日本ですね。そういう架空設定で、物語を展開します。
 タイトルは『ひとつの祖国』です。近々、連載スタートすると思います。
 他にも、今年じゅうに「小説推理」での連載を始めるつもりです。
 もうひとつ、極秘プロジェクトも進行中です。というわけで、ものすごく久しぶりに三作同時並行でストーリーを作っています。極秘プロジェクトが形になるのは、たぶん再来年だと思いますが。小説は、来年には書き始めたい。

 といった感じで、今年は楽しみながらたくさん小説を書きたいと思っています。今年もどうぞよろしくお願いします。