『修羅の終わり』の新装版ができた。一冊だけでけっこう普通の厚みだから、上下はかなりのボリュームだよね。よくこれまで一冊本にしてたよな。
 装幀が格好よくて気に入ってます。
 下巻には一冊本のときの笠井潔さんの解説を再録させてもらい、上巻には新たに三省堂書店の新井さんの解説をいただきました。

 ぼくはこれまで、テロの話を二作しか書いたことがなく、そのうちの一冊が先月文庫になった『私に似た人』で、もう一冊がこの『修羅の終わり』。で、今読み返すと、『修羅』を書いた二十年前には時代設定を過去に取らなくてはリアリティーがなかったことがわかる。でも『私に似た人』では、今のテロとして描いている。
 二十年を隔てたテロの話を、読み比べていただけると面白いかもしれません。

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